2015年9月12日土曜日

シャンパーニュ・モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)新醸造所見学

友人夫妻のご厚意により、モエ・エ・シャンドンの
新醸造施設を見学。

収穫時期の午前中、
今朝摘まれたブドウが届き始めた時間。

24時間フル稼働の圧搾所。
一日に650トン、50ha分のブドウを圧搾できる。

1つのケースにブドウが50kg。
建物内に運び込まれたあと、品種や区画、品質等により振り分けられ、
重さや品質の検査の後、圧搾される。
巨大な規模、清潔さ、最新のテクノロジーに
圧倒されながら説明を聞く。

建物内に自社の品質管理研究所もある。

収穫は朝の7時頃から。
夜にはここがブドウのケースでいっぱいになるそう。
12000kgのブドウを圧搾できる
圧搾機が13台。

圧搾機にブドウを入れるのに30分。
圧搾に3時間半、洗浄に1時間。
圧搾機もケースも一回使用ごとに、水によって洗浄することが
義務付けられている。


下は選別後のブドウのケースを圧搾機に送る機械。
音がすごい。


12トンのブドウから6150Ⅼのキュヴェ(一番搾り果汁)と
1500Lのタイユ(二番搾り)が搾られる。
Debourbage(デブルバージュ・清澄)と呼ばれる過程
を経て、醸造所に運ばれる。
清澄は15℃で12時間かけ、果汁に混入した微細物を沈殿させる。

空になった収穫用ケースが運ばれる。
右上が清澄用のタンク。7000Lと12000Lのサイズがある。
 ブドウが運ばれてから清澄を経て
果汁として運びだされるまで、18時間。
空になったケースはすぐに専用の機械の中で洗浄され、再び収穫に向かう。
圧搾機やケースの洗浄は水のみで行われ、
ブドウ果汁なども混ざるため、
洗浄後の水は別に溜められ、畑にまかれる。
川の汚染を防ぎ、畑には栄養ある水を供給するエコなシステム。

いざという時の発電機。一年に一か月の利用なので、
この時期だけのレンタル。
 果汁は圧搾所から、エペルネの醸造所に向かう。
去年から、すぐ隣の醸造施設も稼働している。

醸造施設に25000Lの果汁を運び入れるタンクローリー。
果汁は発酵タンクまで機械で吸い上げられる。
案内してくださったマークさん(左)と技術管理責任者のミシェル・フトリー氏。
発酵施設はさらに大規模。圧巻。 

全体で1500万Lの量というタンク。
これでもエペルネの施設の4分の1。
 発酵室は最新の建築技術・設備のお蔭でかなり静か。
コンピューターで品質管理されている。
この高さ。

発酵・醸造用タンクはいくつもサイズがある。
主なものは小さいタンクが単一区画用で1万2千ℓ。
大きい発酵タンクは15万ℓ。
最大はアッサンブラージュ用で60万ℓ!
タンクは屋根から搬出入される。
268HL(へクトリットル=100ℓ)90の表示。
26890ℓ。
発酵中のタンクの中。

自然の光を取り入れるため、発酵室はガラス張りです。
ここから見える畑はほぼすべて自社畑。
畑にまかれる、洗浄に使われた水。
発酵所の中の発酵塔の隣に、ボトル塔がある。

第一次発酵後のワインはここでボトルに入れられる。
1時間で18000本。
去年から、新醸造所で醸造される全てのボトルに番号が振られ、
コンピューターで情報管理できるようになった。
市場に出るのは数年後。
地下13M、36000㎡のカーヴ(長期熟成庫)。
熟成に影響しないよう黄色っぽい光で光量もおさえられているが、
いずれ光なしになる予定。
自動で運搬する機械に光は必要ない。

最新のテクノロジーで管理される無人のカーヴ。
湿度は自然のままで80%ほど。

1パレットは650本。モエとLVMHグループ専用のサイズ。

パレットの中心にあるこの部分にパレットごとの情報が入っている。

この奥往き。
 一階分階段をあがる。

全体で384パレットを動瓶可能。
テスト運転中。
さすが最大規模のメゾンの最新醸造所、
何もかもが、並外れて大きかった。



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