2016年10月22日土曜日

ブジーの収穫祭(Le cochelet de la vendange 2016 de la confrérie des Echevins de BOUZY)

 ブジーのシャンパーニュ同業者組合が主催する
収穫祭にご招待いただいた。


ECHEVINS(エシュヴァン)というのは、
カロリング朝時代に遡る
同じ村の同業者組合のことなのだそう。
近年では廃れてきているようだが、
ブジーではシャンパーニュの生産者が1980年に復活させた。

参加する生産者は、
Champagne Edmond BARNAUT
Champagne Herbert BEAUFORT
Champagne BRICE
Champagne André CLOUET
Champagne DELAVENNE Père & Fils
Champagne Benoît LAHAYE
Champagne Paul CLOUET
Champagne Paul-Louis MARTIN
Champagne Guy Méa
Champagne Pierre PAILLARD
Champagne Camille Savès
Champagne Georges VESSELLE
Raynald TRITIANT
Champagne Jean VESSELLE

今回の主催者、Jean VESSELLEのデルフィーヌ&ダヴィッド。
敷地内にあるブドウ畑「プチ・クロ」。 
開会のあいさつ。
それぞれの生産者の発展に貢献した友人たちを表彰する公式行事。

表彰される人はまず作業用エプロンを見に着ける。

2016年最後のブドウを手摘み。
シャンパーニュ・バルノーのマダム、ロレッタと友人スーザン。

摘んだブドウを圧搾機へ。
中央はジャン・ヴェッセルから表彰される「ル・タン・ペルデュ」の辻悟さん。

そして圧搾!

中に入って表彰式。



表彰されたみなさん。
切れぎれの動画だけれど、雰囲気だけでも。





 そしてパーティ。着席式のフル・コースディナー。
各生産者のシャンパーニュが振る舞われる。


お隣はつい先日ビジットしたばかりのBenoit LAHAYE氏。
ブノワとはシャンパーニュの話だけでなく、
犬や動物の話もできて楽しい。

同じテーブルの人々。
招待してくださったPhilippe BARNAUT氏(左)とブノワと。
最後はダンスで夜が更けていく。

2016年9月29日木曜日

シャンパーニュ・マイイ・グランクリュ(Champagne Mailly Grand Cru) 熱い男たちの協同組合

「マイイ・グランクリュ」は、生産者組合ブランド。


1929年、それまで大手メゾンにブドウを提供していた生産者たちが
自分達でシャンパーニュを造ろうと組合を設立。

硝子張りの建物。
25生産者、70ha(36Lieux Dits、480区画)のブドウ畑のシャンパーニュ、年間約50万本を醸造する。

建物の裏側。収穫時期、ブドウが運ばれてきている。

環境に配慮するブランドに与えられる認証、
HVE(農業省)とViticulture Durable(シャンパーニュ)を受けている畑。
マイイ・シャンパーニュの畑の特徴の一つは、
東西南北すべての傾斜があること。
この特色は、他にはアイだけだそう。

もう一つの特徴は石灰質が表面に近い土壌。
マイイの全ての小道は白いと言われる所以。
代表、グザヴィエ・ミュレ氏。
生産者でもあり、この朝も畑で働いてきた。
「一番いい区画はどこですか?とよく聞かれるんだけど、
毎年気候条件によって変わるんだよ」と。

生産者の必需品、糖度を図る機械。
実際にブドウを手で絞って、図って見せてくれた。
12.2度。
除虫剤は使わず、蝶のメスのホルモンを使って
オスが混乱し授粉できないようにする。
4月のある午前中、半日で
マイイ・シャンパーニュの280haすべての畑につけるそう。
収穫後に業者が回収。
(写真を撮り忘れたため
この写真だけ他の生産者で撮ったもの)
除草は鍬を使い、一部草を残す。

硝子張りの素敵な入口も今は収穫中で作業が優先。

圧搾の度に水で清掃される。
それぞれに特色ある区画。
後ろ姿は、熱心に各リュー・ディの説明をする
醸造長のセバスチャン・モンキュイ氏。


上の地図の拡大版。Lieux Ditsの名前が記されている。

活躍中の圧搾機。
ピノ・ノワールはポリフェノールが多すぎないためにも、
搾り過ぎてはいけないそう。
風味が損なわれてしまう。
Lieux Dits(リュー・ディ)毎に圧搾、醸造される。

タンクにLieux Ditsの場所を示す地図が貼られている。


長期熟成に向くよい区画の果汁は樽発酵・熟成。
2017年からはシャンパーニュ唯一の樽職人、
ジェローム・ヴィアーの樽も使用する予定。

地下19m、全長1kmのカーヴ。
1929年から65年にかけて掘られた。
外で働くのが大変な冬に、掘る作業をしたという。

創業者の一人の名前が冠されるカーヴの一区画。

地方紙「UNION」の取材チームも同行、
その写真向けにポーズ中。
左から、代表グザヴィエ・ミュレ氏、
ジェネラル・マネージャのジャン・フランソワ・プレオ氏、
醸造責任者セバスチャン・モンキュイ氏。
合計2百万本が眠る。

外に出ると夕映えのブドウ畑。

2007年を試飲の後、この二つのヴィンテージ。


2016年9月27日火曜日

シャンパーニュ・ブノワ・ライエ(Champagne Benoît Lahaye)

収穫中のブノワ・ライエを訪問。

「僕のシャンパーニュ造りに秘密はないよ。
誠意をもって取り組むのみ」。
「疲れてよれよれだけど」と。
訪問には予約が必要。
基本的にプロのみ。
圧搾の最後の段階に入っている。
今年は収穫前に晴天が続き、雨で洗われることがなかったので、
各圧搾の最初の20~60Lは取りよけられている。
二番タイユ(三番しぼり)として蒸留酒製造所へ送られる。
ブドウがよく熟していると、清澄しないこともあるそう。

どんどん新しい果汁で満たされている樽たち。
新樽を買って、最初の年はタイユ(二番搾り)、
二年目からキュヴェ(一番搾り)を入れる。
イタリア、トスカーナから来たテラコッタ。ロゼ用。
フルーツ感が出やすい。
卵型の方が洗いやすいのだそう。
息子二人が共に働くようになったのがかなり嬉しい様子。
「息子と相談しながらやっているんだ」。
「今年は彼らが自分で判断できるようになった最初の収穫になった」。
2016年はやはり大変な年だったそう。
4月の氷結、べト病、6月の雨、8月の日照り(ブドウが焼きついた)。
べト病には5月15日から8月10日辺りまで、
主にハーブ抽出エキスで対策をとった。
ハーブはOrtie(オルティ=イラクサ)、
Reine des Près(レーヌ・デ・プレ=西洋夏雪草)
Prèle(プレル=トクサ)など。

「秘策はないよ。問題が起きたらすぐ対処すればいいんだ。
土日でも、すぐに。
月曜を待っていたら被害は大きくなる」

ビオ・ディナミでブドウを作っているが、
大切なのは自分自身の感覚と誠実さ。

硝子のふた。
もうかなり割ってしまったのだそう。
樽からワインを抽出するための機械。
新しく購入したとのことで、使い方を見せてくれる。
7月に出番。
手前は赤ワイン用の樽。

ルベッシュ(圧搾機の中で鍬返されたカスの意)
沈殿物。
分析用のサンプル・ボトル。

こういうの好きでしょうと分析表も見せてくれた。
「売るものは全然ないよ。だから、飲んで行ってね」と。

家族(ブノワと奥さんヴァレリーと二人の息子ヴァランタン、エティエンヌ)と従業員。
今年の収穫は9月21日(水)から29日(木)
人手は十分だが、生産量は去年の60%。
翌日はヴェルチュの畑まで行く。
「収穫が少ないと一日の移動が多くて大変なんだよ」

畑の大切な仕事仲間、タミーズ。
ロバのダマビー。
バルザミーヌ。

ブノワの誠実さと共に
次世代が育っているのが頼もしい。

シャンパーニュのブドウ畑。だいぶ成熟してきました。

Hautvillersにブドウがどのくらい育ったか見に行ってきました。 区画によりますが、シャルドネは結構育ってきている感じです。 これからの天候によっても変わってくるのだと思いますが、 収穫まであと10日くらいか、 涼しい天気が続くともっと先になるのか。 収穫が近づくと生産者は...