2015年11月2日月曜日

シャンパーニュ・ジョルジュ・ラヴァル(Champagne Georges Laval)


ビオ・シャンパーニュの会で出会った生産者の訪問第一号は
キュミエールのジョルジュ・ラヴァル。

迎えてくれたのは現当主のヴァンサン。
一見強面ですが、くしゃっと笑顔になったりもして、
とてもチャーミングな人柄。
2000㎏のブドウを圧搾できる小さめ圧搾機と共に。
「これでも大きくなったんだ。昔は400㎏用の
圧搾機を使っていたんだよ」と。
ジョルジュ・ラバルは2.5haのブドウ畑をキュミエールに所有。
1971年からビオ認証を受けている。

キュミエールは以前は40ものRM(レコルタン・マミピュラン=独立栽培醸造家)
があったのに、現在は14に減ってしまった。
「小さい畑しかなくても、
工夫して世界に通じることを示していきたい」と。

その品質は高く評価され、
年に16000本程の生産量にもかかわらず、
世界30か国に輸出している。

おじいさんは生産者でもあり、籐職人でもあった。
今も現役の手製のボトル入れ。
家から歩いて5分程のブドウ畑に案内してくれる。
1947、67、84年に植えられたLongues Violes。

除草剤はもちろん肥料も全く使わない自慢の区画。
周囲より葉が落ちるのが明らかに早い。
収穫は20人程のいつも同じ人たち。
古い人は1974年から。今59歳ということなので、
18歳の時から毎年来てる。

同じ通りにある、エルヴェ・ジェスタンの「クロ・ド・キュミエール」。
圧搾を一部引き受けている。

戻って醸造室へ。

2.5ha分のブドウに合う、小さタンクたち。
清澄は添加物なし、温度調整なしで行われる。
赤ワイン用の小さな小さな圧搾機。
「たぶん30㎏くらい用」。

醸造室の入口で、興味深い根の様子を見せてくれた。
隣同士に生えていた二つの株。
違いは植えた年です。
上は1930年ごろ、まだ薬品が使われていなかった時代のもの。
下はビオに転向する前1960年代に植えられたもの。

1930年ごろ稙。太い根、柔らかい土で
下に長く伸びている。
地中深くのさまざまな養分、ミネラルを
接種できる。
1960年代稙。根が下に伸びていけず、横に広がっている。
栄養は地表に近い範囲からの接種で
地上の影響を受けやすい。
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ヴァンサンは人を包み込む温かさと
強い信念を持つ人。

一緒に働く人も学歴に関係なく
「知識はないけど、どうしても一緒に働きたい」
「他に行くところがないからどうしてもここで」という
村の若者などを雇い、彼らがここで実地で学んで
従業員になっていったのだとか。

醸造室のヴァンサン。
定期的にそれぞれの樽の味を確認しながら、
10か月ほどかけて第一次熟成を行います。
マロラクティック発酵も自然に任せて。
醸造室真ん中に試飲の用意をしてくれていた。
生産量が少ないのに、30か国にも輸出ということは
余剰はないはずなのに、気前よく
熟成中ヴァン・クレールを区画ごとに試飲させてくれる。
それぞれの土壌の違いが興味深く表れている。

2015年はラバルにとっても格別にいい年。


シャンパーニュも、キュミエール2013、09、06、ムニエの順で。
それぞれ異なった魅力があり、
しっかりした味わい、引き立つ香り、
濃いのにピュアという印象は共通。


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日本の輸入元はVORTEX,Ltd。
http://vortex-wine.com/diary/pg173.html

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シャンパーニュのブドウ畑。だいぶ成熟してきました。

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