2020年11月18日水曜日

書店に入るということ

 10カ月ぶりに、日本の書店に足を踏み入れた。

今日寄ったのは、駅ビルの中の本屋で、

1時間もあれば売り場全部を見て回れるほどの大きさだ。


小説のコーナーには、昭和の時代からずっとその名を見る本もあるし、

ビジネス書のコーナーには発売されたばかりの本もあって、

本屋というのは、いろいろな時代が入り混じった場所なのだと

不思議な感覚を覚えながら、見て回った。


当たり前のことだけれど、

一度に目に入る本の数が大量で、

これほど広範囲の情報を得ることは他ではないのではと思う。

読んだことのある本、

興味をそそられる本、

記憶にとどまることのないだろう本。


大量の情報だけれど、テレビやネットのように

押し付けられている感じはなく、

自分の足の速度とともに、

自然に受け入れていく。


そして、気が付く。

本屋で自分が調っていくことに。

私の中には、本屋でしか調律できない部分がある。


フランスにいる時、無性に日本の本屋に行きたくなることがあるのだけれど、

それは本屋で本に出会いたい欲求というより、

本屋で自分を調えたかったのではと

実際に本屋の中を歩きながら考えた。


同じような、調律する場所としての役割は

美術館、森、海、劇場にもあって、

そういう大量の何かに囲まれる場所に

身を置くことによる作用が

人には必要なのかもしれない。




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