私は、過去の2つの出来事により、自分は言語力、コミュニケーション能力が高いかもと、ちょっと自惚れているところがあります。
1点目は、青年海外協力隊の試験。英語の他に、人造語のテストがあるのですが、
人工的に作られた文がならび、Aの文はこういう意味、Bの文はこういう意味だとすると、
Cはどのような意味でしょうという問題がたくさん出ます。
パズルのようでもあり、答えは結構簡単に導きだせ、私は満点でした。
あんなに簡単なのだから、みんなできるだろうと思っていたら、
そのテストが100点中、0点、20点、30点という人もいて、
もしかして、言語能力というものがあるのかもと思うようになったのです。
2点目は3年過ごしたアフリカのジブチでの出来事です。
ある雨上がりの朝、人通りの少ない街なかで、巨大な水たまりと化した道路の、
わずかに盛り上がっている土の部分を歩いていると、
向こうの角を曲がって、一人の見知らぬ中年くらいの男が現れました。
アフリカ人だけどジブチ人ではなさそう。
得体が知れない感じで、遠目にもなんだかものすごいしかめつら、
ひげをはやし、手には杖を持っています。
正直、人生最大のピンチだと感じました。
昼間なので、殺されることはないかもしれないけれど、
杖でなぐられて水たまりに落とされるくらいはありそうと。
その時私に与えられた選択肢は3つ、
①そのまま前に進んでその恐ろしい男と対峙する。
②水たまりにはまる。
③踵をかえして逃げる。
で、瞬間的に水たまりにはまりたくない、
逃げたらこれからずっと逃げ続けることになるかもと、
そのまま歩き続けることにしました。
でも、もちろん危険な目には会いたくない。
どうする?近づく前に話しかけてみる?何語で?考える時間もない!
で、男性の服装とひげと杖からきっとイスラム系だろうと判断し、
まだちょっと距離のあるうちに、ここはもう一世一代の笑顔で、元気よく、
「アッサラーム・アライクム」とあいさつしてみました。
その反応次第では、まだなんとか逃げ出せるかもというところで。
そうしたら、どうでしょう、その怖い人の、怖い顔が、
一気にびっくりするほどの笑顔になって、
「ワー・アライクム・サラーム」と返してくれたのです!
大・成・功!身の安全は確保できたみたい。
それどころか、そう言っているうちにも、どんどん近づいて、緊張感もほどけ、
お互いなんだか嬉しくて盛り上がって、すごい笑顔のまま、手まで握りあい、
「私はアリエよ」「俺は〇〇だ(忘れちゃってる)」と名乗りあうことになりました。
「日本人か?」「お前はもう俺の友達だ」「この辺でなんかあったら俺が助けてやる」と
いつの間にかものすごい心強い味方ができていました。
彼はタンザニアだったかの大使館の警備員で、英語も話せました。
顔があまりにも怖いので、彼に話しかけた日本人は初めてだったようです。
この体験は、あの時の恐怖・緊張感と共に、わたしの人生観や世界観に影響するほど
強烈な思い出となっています。
遠い異国で慣れない頃にこんな成功体験を積んだので、結構自信になったのです。
こんな成功体験しょっちゅうないですし、怖い思いなんてしなくていいのですけれど。
日本に帰ってきて、こんなことまで思い出してしまいました。
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